最高裁判所第一小法廷 昭和26(オ)297 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人等の負担とする。
理 由
論旨は、本件土地を自作農創設特別措置法にいわゆる牧野に該当しないと判断し
た原判決を非難し、牧野であると主張する。同法二条においては、「牧野とは家畜
の放牧又は採草の目的に供される土地(農地並びに植林の目的その他家畜の放牧及
び採草以外の目的に主として供される土地を除く)をいふ」と定めている。そして、
原審が疏明によつて認めた事実は、「本件地上には十五年生から三十年生の主とし
て柏の木が密度の濃いところは一反歩に百本位の割合で茂つており、一部伐採され
たところもあるが、その部分では切株から芽がのびて人の背丈位の柴木となつて繁
茂しておること、控訴人(被上告人)はその先代の時代から長年にわたりこの土地
を林地として所有し樹木の育成に努力してきたこと」である。右事実によれば、本
件土地を同法にいわゆる牧野に該当しないと判断した原判示は、相当であつて違法
と認むべきかどはない。所論は、しきりに農政当局の行政通牒を援用して牧野であ
ると主張するが、かかる行政通牒は、下級行政庁に対し事務処理の便宜上牧野と林
地の区別について一応の取扱規準を指示したに過ぎないものであつて、一般に対し
もとより法令としての効力を有すべきものではない。それ故に所論は、採ることが
できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 真 野 毅
裁判官 斎 藤 悠 輔
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裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 入 江 俊 郎
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